会計事務所で人が辞めていく理由とは?自分も退職しようか悩む人へのアドバイス

厚生労働省の調査によると、一般労働者の離職率は令和3年でおよそ14%。

会計事務所の離職率はそれよりも高いとされています。

会計事務所の離職率の高さは、働き方や人間関係の悩みを抱えている人が多いことが原因です。

この記事では、会計事務所を退職する判断基準や転職のアドバイスについて解説します。

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目次

会計事務所で人が辞めていく4つの理由

会計事務所は小規模の事業所が多いため、ワンマン経営や閉鎖的な人間関係になりやすいです。

繁忙期には長時間労働が続き、プライベートや試験勉強の時間がとれないことも。

会計事務所で人が辞めていく理由をくわしく解説します。

①事務所内の人間関係が悪い

会計事務所で人が辞めていく理由の一つに、事務所内の人間関係の悪さがあります。

会計事務所は小規模でワンマン経営の会社も多く、所長との人間関係に悩む人も多いです。

また、若手社員が敬遠されたり、ベテラン社員が新しい制度に対応できなかったりすることもあります。

こうした人間関係の問題はストレスや不満の原因となり、退職につながることもあります。

②繁忙期が忙しすぎる

決算などが重なる繁忙期は、深夜まで働かなければならないことも珍しくありません。

業務量が増え、ストレスや健康面の問題が生じることがあります。

また、繁忙期にはチームワークが求められるため、人間関係が悪い場合にはストレスも倍増します。

そのため、繁忙期には退職を考える人が増える傾向があります。

③業界の将来性や会社の方針に対する不安

会計業界は、AIや自動化技術の進展により業務の一部をAIに奪われることが懸念されています。

また、会社の方針が不透明であったり、昇給や賞与もなく将来に対する不安を抱える人も多いです。

このまま今の会計事務所で働くことに不安に感じる人が次々と辞めていきます。

④税理士・公認会計士として独立起業する

退職理由はネガティブなものだけではありません。

会計事務所には税理士や会計士として独立を目指しながら働いている人が多くいます。

試験に合格し実務経験を積んだ後、独立・開業するために退職する人が多いのも会計事務所の特徴の一つです。

辞めたほうが良い会計事務所の4つの特徴

会計事務所は少人数で仕事を回していることが多く、教育体制が整っていないケースも多々あります。

また、税務に関する責任ある業務は精神的な負担にも繋がります。

サポート体制がないうえにプレッシャーが重いことから退職を考える人も多いです。

①仕事を教えてくれない

仕事を教えてくれない上司や先輩がいる場合、スキルアップができず、自己成長に繋がりません。

誰も教えてくれないため致命的なミスを犯してしまう可能性もあります。

経験者からのアドバイスがなく、自分だけでは改善点を見つけることが難しくなります。

教育環境が整っていない会計事務所では、将来のキャリアアップに向けて転職を検討することも必要です。

②長時間労働が続く

繁忙期に長時間労働が続く会計事務所は多く、健康被害やストレスの原因になります。

長時間労働は集中力がなくなり致命的なミスにも繋がります。

残業代が支払われないような労働環境が悪い会社はもってのほか。

このような会計事務所は転職を検討することも必要です。

③精神的に追い詰められる

  • 上司や先輩からの嫌がらせや脅迫
  • 無茶な仕事の押し付け
  • 過剰な監視
  • クレーム対応の押しつけ

など、パワハラ的な状況が続く会計事務所は、精神的な負担も大きくなります。

ストレスや不安が蓄積されることで、うつ病や不安障害を発症することもあります。

メンタルが壊れてしまう前に、早めに対処することが重要です。

場合によっては法的な相談を受けることも検討しましょう。

④クライアントとの人間関係がつらい

会計事務所では、担当するクライアントを自分で選べるわけではありません。

上司から言われるがままに苦手なクライアントも受け持たなければなりません。

クライアントとの相性が悪いとクレーム対応が増えたり精神的に追い詰められることも。

退職せずに会計事務所に残ったほうが良い場合

会計事務所は実務経験を積みながら勉強できる環境があります。

ただし、残業が多すぎて試験勉強に時間を割けないケースもあるため注意が必要です。

①税理士試験合格など明確な目標がある場合

明確な目標がある場合は、退職するのではなく、職場の理解があることを確認してから残ることも選択肢の一つです。

働きながら税理士試験合格を目指すことは大変ですが、実務経験を積みながら勉強することで、実務と試験対策を両立できるメリットがあります。

ただし職場の理解がなければストレスや負担が増え、目標達成が困難になる可能性もあるため、注意が必要です。

②成長中の会計事務所である場合

会計事務所が急速に成長している場合、将来的に昇進の機会が増える可能性があります。

そのような場合、会計事務所に残っている方が、将来的にキャリアアップができる可能性があります。

③良好な人間関係がある場合

所長と相性が悪くても、同僚との良好な関係がある場合は、会計事務所に残ることも検討しましょう。

同僚との信頼関係が築ければ、仕事のストレスを共有し、協力し合うことができます。

良好な人間関係は業務を円滑に進めるだけでなく、あなたの心の安定にも大きな影響を与えます。

④顧客が魅力的である場合

魅力的な顧客がいる場合、会計事務所に残ることで自身のキャリアに繋がる貴重な経験を積むことができます。

顧客のビジネス拡大に合わせて、自身も成長・スキルアップできる機会が増え、スキルや評価を向上させることができます。

これは将来的な転職活動でもアピールポイントになります

会計事務所から転職できる職種とは?

会計事務所から転職した人はどのような職種に就いているか見ていきましょう。

会計事務所からの転職の選択肢は主に2パターンあります。

  • 一般企業の経理に転職する
  • 人間関係や待遇の良い会計事務所に転職する

全くの異業種に転職する人もいますが、ほとんどが会計知識を活かせる領域に転職しています。

税理士科目合格でも、一般企業の経理では重宝されるケースが多く、転職して幸福度が上がったという声をよく聞きます。

会計事務所を辞めた人たちの声

会計事務所を円満に退職する方法

円満に退職するためにも、できるだけ早めに退職の意志を伝えましょう。

引継ぎの期間も考慮した退職日を伝え、最後まで丁寧に仕事をこなすことが大切です。

どうしても退職させてもらえない状況のときは、退職代行を使う選択肢があることを知っておいてください。

退職理由を明確にする

退職を伝えた際に、引き止められて困るケースがあります。

その場合は、相手が納得し、かつ引き止めることができない、明確な退職理由を示すことが重要です。

過剰な引き止めは法令違反になることもあるため、会社の社会的な信用を失うリスクがあります。

そういったリスクを冒してまで脅すような引き止めをすることは、ほとんどありません。

明確な理由を伝えて、円満に退職するよう心掛けましょう

モブ美

無理やり引き止めて辞めさせないのは違法だよ

退職の意思を早めに上司に伝える

退職時に円満に辞めるためには、事前の準備が重要です。

引き継ぎ期間を考慮した退職日を決め、早めに上司に相談して、希望通りの日に退職できるように調整しましょう。

繁忙期は避け、また、取引先への挨拶なども考慮して、遅くとも1か月前には上司に退職の意向を伝えるようにしましょう。

最後まで仕事を丁寧にこなす

円満に退職するためには、最後まで丁寧に仕事をこなすことが大切です。

残された業務を適切に引き継ぎ、他のスタッフに迷惑をかけないよう配慮しましょう。

丁寧に仕事をこなすことで、後任者や上司からの信頼を得られるだけでなく、今後の人脈形成にもつながります。

社内のマナーや手続きに従って退職する

退職日や引き継ぎの日程などは、会社によって異なります。

退職に関する規則をよく確認し、必要な手続きを踏まえて退職するようにしましょう。

社内のマナーにも配慮し、上司や同僚に事前に退職の意向を伝えることや、お礼状を送ることなども円満な退職につながります。

転職で不利になる人の特徴

自分のキャリアが転職に不利であるため、躊躇ちゅうちょしている人もいらっしゃるかもしれません。

次の項目に該当しているからといって、必ずしも転職で不利になるとは限りません

転職エージェント(人材紹介会社)を利用するなどして有利な転職活動が可能です。

転職回数が多い・短期間の勤務歴が多い

転職で不利になる人の特徴のひとつは、短期間で何度も職場を変えた経歴があることです。

採用側からは、またすぐに辞めるのではないかと心配されがちです。

ただし、必ずしも短期間の勤務歴が採用に悪影響を与えるわけではありません。

自己PRや志望動機で、短期間での転職経験について説明し、今後は長期間働きたい旨をアピールすれば、採用の可能性も十分にあります。

職務経歴書や面接で説明がつかない職歴がある

「説明がつかない職歴」として、ブランク期間やフリーランスとしての経験が挙げられます。

このような職歴があると、採用担当者から不安や疑念を持たれることがあります。

しかし、自身がその期間に何を行っていたのか、どのようなスキルを磨いたのか、自信を持って説明することができれば、採用担当者を納得させることができます。

このような職歴があっても、説明次第で不利になることはありません。

モブ美

1年間のブランクがあったとき色々聞かれたよ

不利な転職を成功させる方法

不利に思われる転職活動も、履歴書や伝え方を工夫することで成功に近づけることができます。

ハローワークや転職エージェントを活用して履歴書・職務経歴書の添削や面接対策を行うと効果的です。

転職理由を明確にする

転職理由を明確にすることは、不利な転職を成功に導く重要なポイントです。

転職理由が不明確な場合、採用側からは信頼性が低いと判断されてしまう可能性があります。

自分自身がなぜ転職を考えているのかを明確にしておきましょう。

転職を決断した理由を明確にし、自分が求めるものや避けたいものを整理することが大切です。

スキルアップを目指す

転職が不利になる要因の一つに、スキルや経験が不足していることが考えられます。

転職先で求められるスキルや知識を事前に調べ、新たなスキルを身につけましょう。

人脈を広げる

人脈を広げることも、転職に効果的な方法のひとつです。

興味のある業界や企業で働いている人と交流することで視野も広がります。

知り合いを増やすことでリファラル採用のチャンスが巡ってくる可能性もあります。

転職情報を得られるコミュニティやイベントに積極的に参加して人脈を広げましょう。

職務経歴書や履歴書の添削を受ける

不利な状況でも職務経歴書や履歴書を工夫することで、自分の強みや達成した実績を転職先にアピールすることができます。

自身の強みや実績を具体的にアピールすることで、採用担当者に自分自身の価値を伝えることができます。

履歴書の書き方に自信がない人は、経理の職務経歴書の作成・添削サービスがおすすめです。

転職は一人で頑張るよりも人を頼ったほうが成功する確率が高くなりますよ。

  • 何を書いたらいいかわからない
  • 経験や実績が浅くて書けることがない
  • 書類選考でいつも落とされる

経理の職務経歴書マジで書けない……

このような悩みがある人には、、ゼロから職務経歴書の作成を代行してくれるサービスがあります。

しっかりした職務経歴書があると転職に自信が持てるようになります。

職務経歴書の作成に時間を取られて困っているのなら、まずは作成代行サービスを使ってみると良いですよ。

会計事務所の転職に強い転職エージェント3選

すでに会計業界の実務経験があるあなたなら、転職成功の鍵は転職エージェント選びにあるといえます。

リクルートなど大手転職エージェントでは経理・会計の求人はほぼ見つかりません。

会計事務所の転職活動で一番大切なのは、

  • 税理士・会計業界の転職事情を知っている担当者がいるかどうか

採用側のニーズと私たちのスキルがマッチするか正確に判断できる担当者がいないと、

あなたを正しく評価できず、希望年収より低い仕事を紹介されるリスクもあります。

会計事務所の転職で後悔しないためにも、業界に詳しい転職エージェントへの登録は必須です。

以下では税理士・会計業界の転職に特化した転職エージェントを3つ紹介します。

良い求人情報を逃さないためにも、3社登録しておくことをおすすめします。

Hupro(ヒュープロ)

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【公式サイト】【最速転職HUPRO】

紹介案件の9割以上が会計事務所・税理士法人の求人。

リモートワーク可能な求人が多いのも特徴の一つ。

多くの事例があるため転職理由の書き方も相談しやすいですよ。

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MS-Japan

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【公式サイト】管理部門・士業の転職ならMS-Japan

管理部門・士業の転職に強いのが特徴。

経営企画やIR部門への転職に興味がある人は登録しておきたい転職エージェントです。

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登録の際「エージェント利用する」にチェックを入れることで、エージェントからの求人提案・紹介が可能になります。

ジャスネットキャリア

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【公式サイト】ジャスネットキャリア

公認会計士・税理士・経理の転職に特化した転職エージェント。

正社員以外にも派遣やパートの仕事も探しやすいのが特徴。

私が働いていたホワイトな会計事務所もジャスネットさんで求人を出していました。

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ジャスネットキャリア

おわりに

会計事務所で働いていると、周りの人がどんどん退職していく光景に遭遇することがあります。

気が付いたら同期で入社した人は自分だけになっていたなんてことも。

確かに今の会計事務所のブラックな環境から抜け出して転職できるのは羨ましい。

でも「転職して今よりも良い仕事に就けるのだろうか」と不安になることもありますよね。

ひょっとしたら、転職先がもっと厳しい職場だったり、またすぐに転職する必要が出てきたりするかもしれません。

こういった悩みは、多くの人が抱えているものです。

私もずーっと悩んで転職できずにいました。

でも、現状を冷静に判断して、次の進む道を決めることが大切です。

不安があっても、決断しなければ何も変わりません。

一緒にベストな選択肢を探していきましょう!

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