経理とは会社のお金の流れを管理する大切な仕事です。
一口に経理といっても仕事内容はさまざま。
この記事では日本企業の99.7%を占めるといわれる中小企業の経理について解説します。
調べても難しくてわからなかった
そんな方でもサクッと理解できるようにわかりやすく図解を用いて解説します。
この記事を読み終えるころには、
- 経理の仕事内容
- 経理の役割
- 経理部員に必要なスキル
- 経理の将来性
といった内容がわかるようになります。
ぜひ気になるところから読み進めてくださいね。
経理とは?|お金の流れと取引を数字で記録すること
経理は、会社の経営活動で生じるお金の出入りを記録して管理する事務系の職種です。
「経営活動」の具体的な例をあげると、
- 商品やサービスのお金を受け取った
- 従業員に給料を払った
- 原材料を買った
- オフィスの家賃を払った
記録・数値化したデータをもとに税金を計算したり経営の判断をしたりします。
経理の主な仕事内容
経理の業務内容は非常に幅広く、
- 会計ソフトの入力
- 請求書・領収書の処理
- 給与計算
- 税務申告書の作成
など、専門的な知識が必要とされます。
経理だけでなく、労務の知識も必要となる仕事に携わる機会も多いです。
経理の仕事は「縁の下の力持ち」として企業の経営を支える重要な役割を担っています。
売上の管理
売掛金の管理や取引先に対して請求書の発行を行う仕事です。
仕入の管理
買掛金の管理や棚卸といって実際の在庫と帳簿が合っていることを確認する仕事です。
現預金の管理
預金残高や小口現金(※)を管理する仕事です。実際の現金残高と帳簿が合っているか確認します。
従業員が立替払いした経費の精算も経理の仕事です。
(※)文房具購入や交通費など日々発生する細かい出費を払うため手元に用意しておく少額の現金
月次決算・年次決算
月次決算は一か月間の会社の経営成績を計算する仕事です。
年次決算では一年間の経営成績を計算します。
年次決算は法律で義務付けられており、決められた期日までに行う必要があります。
税金の納付
年次決算では法人税や消費税など、会社が払う税金の計算もします。
計算結果をもとに、決められた期日までに税金を支払います。
給与計算や社会保険の手続き
給与計算や社会保険手続きは、会社によっては総務部や人事部が担当する場合もあります。
- 従業員の入退社に関する手続き
- 毎月の給与計算
- 年末調整
お金に関わる仕事のはだいたい経理が担当しています
経理の仕事の流れ
経理の仕事を1日、1ヶ月、1年に区切って見ていきましょう。
経理の仕事は、財務諸表や予算、資金繰り計画などを作成するために、簿記のルールに基づいて取引を記録していきます。
大まかな流れは決まっており、1日、1ヶ月、1年単位で同じような処理を繰り返していきます。
※業界によって細かい仕事内容は異なります
経理の1日のスケジュール
経理の1日の流れを簡単にご紹介します。
9:00 | 出社。メールチェック、会議や来客のスケジュール確認 |
---|---|
9:30 | 現預金残高の確認、入出金のチェック |
11:00 | 会計ソフトを使った記帳業務 |
12:00 | お昼休み |
13:00 | 社内ミーティング |
14:00 | 会計ソフトを使った記帳業務 |
17:00 | 領収証や請求書のファイリング |
18:00 | 退勤 |
最近はネットバンキングの普及で銀行へ外出する機会はかなり減りました。
基本的には社内でデスクワークの仕事がメインです。
経理の1ヶ月のスケジュール
経理の1ヶ月の流れを簡単にご紹介します。
1日 | 請求書の発行、棚卸(在庫確認) |
---|---|
5日 | 月次決算、経費精算の確認 |
10日 | 源泉所得税・住民税の納付 |
20日 | 給与計算、ネットバンキングを使った振込手続き |
25日 | 給与振振込日 |
30日 | 月次決算、請求などの準備 |
経理の1年のスケジュール
経理の1年の流れを3月決算の会社を例にご紹介します。
4月(期首) | 年次決算(決算整理) |
---|---|
5月 | 決算書類の作成 |
6月 | 株主総会の開催、税務申告書の提出・納税 |
7月 | 労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届提出 |
8月 | 中間税務申告(法人税、消費税の中間申告・納税) |
12月 | 年末調整 |
1月 | 給与支払い報告書、償却資産申告書、法定調書の提出 |
3月 | 年次決算の準備、実地棚卸 |
簿記の勉強では出てこなかった仕事もたくさん!
経理の役割
経理はデータ入力をしているだけと思っていませんか?
経理は会社にとって大切な役割を担っています。
- 経営判断の材料になる情報を提供する
- 会社のコストを管理して正しく納税する
- 会社のお金が尽きないように管理する
大げさに聞こえるかもしれませんが、経理は会社の存続を支えているんです。
経理事務員に必要なスキル
経理において必須ともいわれる簿記。
簿記以外にも経理事務員にとって必須のスキルや資格をご紹介します。
キャリアアップや業務効率の向上にも役立ちます。
日商簿記
経理は「お金の流れを管理する」仕事です。
お金の流れは簿記のルールに沿って記録します。
簿記のルールを知っておくことは経理事務員にとって必須のスキルです。
パソコンのスキル
経理はパソコンを使った仕事がメインになります。
そのため、経理事務員はパソコンを使いこなせる能力が求められます。
- 会計ソフト
- マイクロソフトのエクセル・ワード・パワーポイントなど
- SaaSなどインターネットを経由したソフトウェア
- Slack(スラッグ)やChatwork(チャットワーク)などのチャットツール
語学力(主に英語)
必須ではありませんが英語ができるだけで年収が上がる可能性がグッと高まります。
私、モブ美も英文会計の仕事に転職して年収が倍になった経験があります。
英会話よりも、
- 英語の請求書や勘定科目が読めること
- 英語でビジネスメールを書くスキル
が重要です。
経理×英語は最強だと思うよ!
コミュニケーション能力
デスクワークばかりしていると思われがちな経理ですが、顧問税理士や他部門とのやり取りなど、
人と話す機会は意外と多いです。
円滑に業務を進めるためにも、日ごろから良い人間関係を作っておくことが重要です。
AIの進歩で経理の仕事はなくなるの?
AIの進歩で経理の将来性を不安に感じる人も多いです。
でもAIが進歩しても経理の仕事はなくなりません。
日本の税法は非常に複雑で、AIが進歩しても対応しきれない部分が多いからです。
ただし、データ入力やファイリングといった軽作業はなくなる可能性が高いです。
単純作業が減り、より専門的な知識やコンサルティング能力が求められる時代になっていきます。
もしあなたが単調な作業しかやっていない経理部員であれば数年後には仕事がなくなる確率は高いかもしれません。
今のうちから「専門性の高い業務経験」を積んでいく必要があります。
今から備えておけば十分間に合います。
じっくり経験を積んで、AI時代に生き残る経理部員を目指しましょう!
経理の未来は明るい
これから経理を目指してみたいと思って調べてみたら、
「経理やめとけ」「経理なくなる」なんて言葉を目にして経理の将来性が不安になってしまった人もいるかもしれません。
でも安心してください。
すべての経理の仕事がなくなるわけではありません。
経理は思いのほかアナログな仕事が多いです。
それに「経理経験者」になれば転職先は比較的選びやすくなります。
同じ経理事務員として助けあっていきましょう!
気軽にどうぞ♪